TOP / コラム / マーケティング / 企業がYouTubeチャンネルを運用するメリットや運営する上でのポイント
2022.07.12 マーケティング

企業がYouTubeチャンネルを運用するメリットや運営する上でのポイント

企業がYouTubeチャンネルを運用するメリットや運営する上でのポイント

企業でYouTubeチャンネルを運営することは難しいという印象を持つ人が多いのではないでしょうか。確かに成功しているチャンネルは限られた数しかありませんし、成功させるためにはテクニックが必要です。そこで今回の記事では、他のサイトやプラットフォームではなく「YouTube」を使用するメリットや、運営する上で心がけるべきことについて解説していきます。

YouTubeの運営を企業がするべき理由とメリット

はじめに、YouTubeの運営を企業がするべき理由とメリットを確認します。

1. 非常に強い影響力を持っている

世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeは、20億人以上のユーザー数を誇り、100ヵ国、80言語以上の人々に視聴されています。日本でも、人口の約半分に当たる6500万人が使用しています。加えて、YouTubeでの1日当たりの総合計再生時間はなんと「10億時間」です。想像もつかない壮大な時間ですよね。

2. 情報の量が並外れて多い

動画にはとてもたくさんの情報を詰め込むことができます。1分間の動画だけで、一般的なサイトの3,600ページ分の情報量と同じという調査も存在するくらいです。YouTubeを通じて企業の中の人が顔出しで動画を配信することで、ブログやテキストでは届けられない熱量や信頼感を得ることが可能となっています。

3. 配信した動画が資産になる

YouTubeはブログなどと違い、サーバーやドメインの取得料や維持費もかからないため、コスト0で始めることができます。投稿した動画は、YouTube内だけでなく、Googleなどの検索結果にも表示されるため、検索からの流入も期待でき、考え方によっては動画はインターネット上の資産になります。自社商材のPRや認知の獲得以外でも、FAQの回答用の素材やチュートリアルといった活用法もあります。

4. テレビ離れしたユーザーの新たなコンテンツになる

昨今TV離れによる新たなマーケティングが求められていますが、TV離れしたユーザーは若者を中心にYouTubeを視聴しています。YouTubeは若年層ばかりではなく、Googleによると2021年5月の段階で日本の45〜65歳のYouTube利用率は約75%にもなっており、TV離れした若年層以外にも大量のターゲットをかかえています。TVに代わるコンテンツとしてYouTubeの注目度は高まっています。

5. Youtubeは調べ物としても使われる

YouTubeは検索ベースとしても幅広い世代にに利用されています。LINE社のアンケートによると10代から30代の男性、10代の女性は「Google検索」の次にYouTubeを使っているという調査結果が出ています。商品の実際の使用感や魅力を動画で発信できるYouTubeは商品を知ってもらうにはうってつけのツールです。

6. YouTubeは購買行動にも影響する

クロス・マーケティング社が実施した「YouTubeの利用実態調査」によると、最近1か月でYouTubeに影響されて商品やサービスを買った(課金した)経験がある消費者は、13~15歳男女と19~22歳女性でそれぞれ3割を超えています。YouTubeは認知だけでなく購買促進としても有効になる可能性があります。

7.Googleの検索結果に表示される

YouTubeはGoogleの検索結果としてもユーザーに表示されるため、YouTubeを検索ベースとしての選択肢に持たなかった人に動画を再生してもらうことは非常に大切です。

YouTubeを運営する上で一番大切なこと

どんな事業にも「目的」「目標」「戦略」「戦術」が存在します。その中で最も大切なのが「目的」です。「目的」とは最終的に目指す状態であり、「目標」は「目的」へ到達するための中継地点のことです。

そして「目的」を達成するための方針である「戦略」を考え、短期的な「目的」を達成するための手段である「戦術」も一緒に考えましょう。

「目的」「目標」「戦略」「戦術」をあらかじめ担当部署内で打ち合わせすることは重要です。ここで気を付けなければいけないのが「目的」と「目標」の混合です。具体的に例を挙げると「目指す人数を決める」は、「目的」ではなく「目標」になります。企業チャンネルであれば多くの人に対して認知度を高めることを「目的」としますから、○○万人の登録者達成は「目的」ではありません。その過程において重要な指針となるので「目標」となります。

また「この情報を配信する」というのは目的を達成するための方針であり、「タレント起用など動画上のキャスティングを考える」に関しては戦術の一つに過ぎません。この話は「目的」がしっかり定まってから行うべきです。「このチャンネルは何を意図しているのか?」「自社が運営する理由は?」の「目的」を言語化、文章化してまとめています。YouTubeや自社のメディアでもあるのですが、サービスの提供開始後は、たくさんの人が必ず「こうしてみれば?」「ああしてみれば?」と提案してきます。その中には必要のない指摘なども存在するので、ノイズはなるべく取り除きましょう。事前にしっかりとした準備をしておくと、方向性はぶれません。

ターゲットの決め方

目的の次に設定するのが、ターゲットです。誰に見てもらいたいかを決めましょう。多くの人に見てもらうのに越したことはないのですが、「全員」というのはダメです。「20代の男性」と設定しても少し曖昧です。ターゲットが定まらないと、自社の目的に合わない人を集める動画を作ってしまいます。その結果「再生数は伸びるけど、設定したターゲットが外れている」という事態になりかねません。

ターゲットの範囲が狭すぎても、YouTubeチャンネルは成長しないので、バランスよくする必要があります。例えば「うどん専門チャンネル」とすると対象が限られすぎますが、「世界の麺類を取り上げるチャンネル」を開設するとある程度のファンは獲得できそうですよね。チャンネル登録者の数だけを増やす「目的」なら、リーチする層に個人も含めるべきです。

チャンネルテーマの決め方

目的とターゲットを設定したら、次に「チャンネルテーマ」を選びます。

簡潔に説明すると、このチャンネルは、「誰」に「何を」提供するチャンネルなのかを考えます。ターゲットはどんな種類の動画を求めているのか考えるのですが、コンテンツマーケティングに詳しい人なら難しいことではないでしょう。ターゲットが興味のあることや、それに関するテーマを挙げると、ある程度のチャンネルテーマが決まります。チャンネルテーマを考えていく中で、このような種類のコンテンツは、求めている層と外れているから違う内容にしようと、取り扱わない内容も分かりやすくなります。

可能なこと、不可能なこと、やりたいことの整理

続いて、どのように進行するかという具体的な段取りをします。実際の話をすると、とてつもなく大きな会社だという場合を除き、YouTubeチャンネルの運営に多くの予算は割り当てられません。人手や時間の制限もある場合が多いです。取り扱っている商品や顧客によっては、際どい演出を断られたり、品性に欠けるものはダメという要望が入ることや、「その編集のやり方は好まない」と意見が入ることもあります。制限された状況では、何かを犠牲にしたり、優先度を変更する、別の切り口を探ってみるなど、「可能なこと、可能ではないこと、やりたいこと」の整理が必要です。条件にまみれた中で、企画案を出すというのは大変なことですが、それを乗り越えてやりたいことを叶えることは、マーケターの手腕にかかっています。

同業チャンネルの調査もしっかりと

YouTubeチャンネルの方向性を決めただけで満足をしてはいけません。目標を設定した時に同業チャンネルの調査も進めましょう。

キーワードを決めて検索を行い、表示されたチャンネルの動画を分析します。少なくとも15チャンネル以上は見るべきです。最後まで再生して、内容の調査もしっかり行うことが重要です。先に投稿している人がいれば参考に動画を作成すれば良いし、より良い動画を投稿できないか、自社でしかできない工夫はできないかなどを考察しましょう。先に投稿している人がいなければ、未開拓の市場を開拓できるチャンスですが、最近は「こんなマニアックな種類のチャンネルが存在するのか…!」と驚くことも多いです。全く未開拓の市場は期待できないし、もし何も表示されなければ、まず需要の有無を考えてみるべきです。

同業者チャンネルの分析ポイントは下記の通りです。

企画と考え方

YouTubeの軸は企画です。企画が面白ければ、きちんと伸びます。ですので同業のチャンネルで伸びている企画が何かをチェックしましょう。そしてどんどん真似していきましょう。YouTubeはレコメンド機能が強いプラットフォームでもあるので、人気企画の類似動画をアップすると、レコメンドされて伸びる可能性があります。

コンセプトの一貫性

どこまでターゲットを絞っているかをしるべきかもしれません。

演者

どのようなキャラクターが人気なのかを知ることも重要です。情報チャンネルでも、人気になっているのが情報の新規性なのか、共感なのかで、チャンネルの方向性は大きく変わります。

コメント欄

演者やチャンネル、企画などが、何故人気なのかを知るにはコメント欄のチェックが必須です。加えてコメント欄を見ることで、どのような視聴者層が多いのかも知ることができます。

チャンネルを登録している人数

もちろん人数がどの程度いるかも知っておくべきポイントです。

チャンネル内で人気の動画

加えて、登録数を大きく超えているような動画は、特に人気企画なので、要チェックといえるでしょう。

手法や見せ方のアイデア

映像で何に力を入れているかを知るべきです。

サムネイル画像

どのようなサムネイル画像が視聴者に受け入れられているのかを知るべきでしょう。フォントや文字の量、写真の使い方などがチェックポイントです。

タイトルやキーワードの決め方

キャッチーな文字遣いなどは参考にしたいところです。

動画の時間

どのくらいの時間の動画が受け入れられるのかをチェックするべきだといえるでしょう。

テロップの有り無し、量

テロップはどんなフォントが使われているのか。長い動画が多い場合は、どの程度テロップを入れることで、視聴維持率を確保しているのかもしるべきです。

BGMや効果音

どの程度編集をこまめにすればいいのかをチェックするべきかもしれません。ノイズは少ないほうがいいので、最初はできるだけ、人気競合チャンネルの真似をしたほうがいいかもしれません。

動画投稿の頻度、チャンネルを始めた日、動画本数

成長速度を知る指針になるでしょう。

法人運営か個人運営か

これ次第では戦い方が変わるかもしれません。

よりYouTube運営を効果的にする方法

これまでYouTubeを運営する上で最も重要な「目的、目標、戦略、戦術」について解説してきましたが、これらを行った上でさらに以下のことも実行するとより効果的だとされています。

対策キーワード設定の重要性

YouTubeは初期の段階で動画が表示されるのはほとんど検索結果からのみ、つまりユーザーが検索してはじめて表示されることが非常に多いです。したがって、どんなに中身の素晴らしい動画を作成してもユーザーの検索ニーズがなければ、または合致しなければ再生されることがないのです。そのため、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているのか、キーワードと動画の内容の関連性を調べて対策することが重要です。

撮影・編集

YouTubeにおいて撮影と編集は欠かせない作業です。コスト削減を目標に自社製にするにしろ、クオリティ重視で外注するにしろ気を付けなければいけないポイントはいくつかあります。

①撮影を依頼する際のポイント

できる限り1回の撮影で複数の動画分を撮影できるような段取りを決めましょう。企業チャンネルでは1動画あたりのコストを抑えて多くの動画を投稿することが重要です。1本の動画ごとに1度ずつ撮影することは避けましょう。

②編集を依頼する際のポイント

YouTubeらしい動画を作成することを心がけましょう。特にYouTubeではジャンプカットという話の間をカットし動画のテンポをあげる編集が重要です。今のユーザーはYouTubeの他の動画やTikTokなどのテンポのいい動画に慣れているためジャンプカットがない動画を見るとテンポの悪い動画と感じてしまいますので、動画のテンポはYouTubeでは特に重要です。

その他、「撮影・編集」の大事なポイントはこちらの記事で紹介しております。

動画のアップロード設定・公開

動画をアップロードする際にもいくつかポイントがあります。

①タグ設定

YouTubeのタグはユーザーには表示されませんが、動画に関連するキーワードを設定することでユーザーに関連動画として表示されることがあります。したがって同カテゴリで再生数の多いチャンネルのタグを参考にすると良いでしょう。

他社チャンネルのタグを確認できるツールがありますが、ツールを使用しなくても「ctrl+U」で動画ページのソースを開き、「ctrl+F」で検索窓を表示させ「keyword」と検索すると確認できます。

②終了画面(エンドカード)設定

動画の最後にチャンネル登録や関連動画の再生をおすすめする画面を設定できます。チャンネル登録数や他の動画の再生数につながる便利な機能です。ただ1つ気をつけなければならないことがあります。このエンドカードは動画の最後の5〜20秒で動画に重なる形で表示されます。そのため編集の時点で5〜20秒のエンドカード用のシーンを用意する必要があるのです。またこの際エンディングのように編集できるとなお良いでしょう。

③動画公開

動画を公開する時間も再生数を狙う上では重要です。一般的には多くのユーザーが使用する18時〜21時が良いとされています。しかし他の多くの動画もこの時間に公開されるため、ターゲット層が多く利用する時間帯を分析しその時間に公開した方が良い場合もあります。例えば、主婦をターゲットとしている場合は、日中の利用が多くなりますので、日中に公開した方が表示率は上がりやすくなります。

④再生リスト

再生リストとは、動画をグルーピングしてまとめられる機能です。関連する動画同士や動画をシリーズとして生理できるためユーザーが見たい動画を見つけやすくなります。また、再生リストでは1つの動画が終了すると次の動画が自動で再生されるため、再生数UPにも繋がります。

動画のPDCA

YouTubeは多くのデータが可視化されており評価・分析ができるため、PDCAをとても回しやすくなっています。どこまでいっても正解のないコンテンツ制作において、いかにPDCAを回せるかが中長期的には大きな差になってきます。

①表示回数

チャンネル立ち上げ時は特に重要な指標です。この指標はチャンネルのカテゴリーやフェーズによってかなり変わるため相場的な値はありません。なので、自社のチャンネルで動画を複数上げていき自社独自の基準を設けて各動画を評価していきます。

また経路別で評価することが重要です。ブラウジング経由はチャンネル自体の評価によってかなり変動するため動画自体の評価に入れるのには適しておらず、検索表示が特に重要な指標になります。検索表示の回数が高ければKWの検索意図に合致した企画を作れていたことになります。

②クリック率

クリック数はYouTubeにおいて大変重要な指標です。企業チャンネルでの相場は約5%と言われており、主にサムネイル、タイトルが大きく影響すると言われています。

前述したようにサムネ、タイトル作成のポイントをふまえた上で、自社チャンネルのユーザーが好むデザインのトンマナや表現を自社チャンネル内での動画の比較により評価・分析しブラッシュアップしていきましょう。

※因みに、動画を投稿した直後はクリック率が高くでる傾向にあるので投稿から3日以上たった状態の数値で評価しましょう。

前述の表示回数とクリック率に分けておこないます。

③視聴数

視聴数は主に表示回数×クリック率で構成される結果指標です。この指標もチャンネルのカテゴリーやフェーズによってかなり変わるため相場的な値はありません。自社チャンネルの動画内で比較し評価しましょう。分析は前述の表示回数とクリック率に分けておこないます。

④視聴維持率

この指標も、どのカテゴリ、フェーズのチャンネルにおいても重要になる指標です。YouTubeも非常に重要視している指標で、視聴維持率が高いと有益な動画と判断され表示されやすくなります。この指標が低い場合は、動画の中身がサムネやタイトルと乖離(かいり)していたり、動画が必要以上に長かったりといった要因が考えられます。

また、離脱したタイミングを確認することができるので、動画のどの部分に課題があったのかを確認することもできます。視聴維持率の評価方法は、企業チャンネルの場合だとざっくり40%よりも高いか低いかが目安になります。ただ、チャンネルのカテゴリや動画の長さによっても大きく変動しますので、自社チャンネル中での比較分析もおこなうとよいでしょう。

⑤登録率

ブランディングや認知目的のチャンネルにとって重要な指標になります。この指標もチャンネルのカテゴリーやフェーズによってかなり変わるため相場的な値はありませんが、2%を超えていれば高く評価してよいでしょう。基本的には自社チャンネルの動画内で比較し評価しましょう。

⑥エンゲージメント率

こちらも登録率同様にブランディングや認知目的のチャンネルにとって重要な指標になります。この指標は既にチャンネル登録をしている自社チャンネルのファンの反応も確認できるため登録率とは分けて考えます。認知度は一定あり好意度を上げていきたい企業は特に重視するとよいでしょう。

ちなみに、動画内で呼びかけることにより高くなる傾向があります。よくYouTuberが「チャンネル登録、高評価お願いします」と呼びかけているのもこのためです。

動画に満足していてもユーザーにはチャンネル登録や高評価などをする習慣がない人がほとんどです。そのため、動画内で呼びかけることでこれらのアクションをとる選択枠がユーザーの中に生まれ、動画に満足していれば対応してくれる率が上がります。

⑦低評価率

企業チャンネルで低評価をされることは一般的に少ないので普段は気にする必要がありませんが、もし低評価が多い動画があれば公開停止を検討しましょう。なぜなら、再生数自体は利益にならない企業チャンネルにおいて、低評価の多い動画はデメリットが大きいためです。今後の動画では同様の企画や表現は避けるように改善していきましょう。

終わりに

企業でYouTubeを始める時は、「目的、目標、戦略、戦術」をあらかじめ設定しておくことが最も大切なことです。加えて、自社で可能なこと、不可能なこと、やりたいことを整理することがチャンネルを成長させるために必要なのだと参考になりましたね。やはり、初歩的なことからコツコツやっていくということ以外に成功への近道はないということでしょう。もし他にも不明点や課題点がある場合は、Youtubeのチャンネルの開設や運営を専門とする株式会社Luaazにぜひお気軽にご相談下さい。

luaaz_pr
LuaaZ広報部

LuaaZ広報部です。LuaaZに関する様々な情報や、YouTubeチャンネル成長に役立つ情報などをお届けいたします。

SHARE
  • X(旧Twitter)
  • Facebook
Pick up column
2021/10/14企画ノウハウ

YouTubeの企画一覧・YouTube作家が実際に考えた全200事例を一挙紹介

2022/07/11YouTube戦略

YouTubeのチャンネル登録者が増えないが原因・ネットで言われてる対策の大きな間違いとは

New column
2022/09/02マーケティング

BtoB企業でYouTubeを活用すべき理由・活用方法や事例について

2022/09/02マーケティング

【YouTube】企業アカウント運営に必要な予算は?制作会社の料金など

Contact/お問い合わせ

所属クリエイターへお仕事のご依頼や、ご質問など、お気軽にお問い合わせください。
採用に関するご質問もメールフォームよりお問い合わせください。