現在、YouTubeが一つのマーケティングチャネルと認められ、集客、販売、営業活動の一環として、YouTubeチャンネルを運営する企業が増えてきています。しかしこの強大なプラットフォームには、すでに多くの企業チャンネルが存在しているため、どの企業もコストに見合うほどの成果を得られているわけではありません。そこで今回は一定の成功をおさめている企業チャンネルの様々なあり方や、その魅力を、YouTubeの企画や分析に関してコンサルを行っている株式会社Luaazの見解を用いて解説させていただきます。
▼The First Take
https://www.youtube.com/channel/UC9zY_E8mcAo_Oq772LEZq8Q
今、日本で最も成功している企業チャンネルといえるかもしれません。
これはYouTube内でも珍しい、単一企画で世界観を統一して人気を獲得したチャンネルになります。有名歌手が一発どりで人気曲を収録しているところを撮影して公開しているだけなのですが、白背景の独特な雰囲気、一発取り特有の生々しさを、4K・HD対応の高画質でかつハイレゾ対応の高音質で配信することで、一気に視聴者を引き込むことに成功しています。
今ではどんな動画を出しても大きく跳ねるので、見逃せない企業チャンネルのうちの一つです。
▼「松井証券_MatsuiSecurities」
https://www.youtube.com/channel/UCS5dVIXy8SYcIMWRmEI-_3A
松井証券も成功したチャンネルとは言えるでしょう。チャンネル初期はYouTubeらしくないサムネイル画像を使ったりなど、YouTubeのお作法をおさえずに運用していた印象ですが、今ではいい意味でYouTubeっぽいチャンネルになっています。
中でも人気お笑い芸人マヂカルラブリーを起用した企画は大人気です。この企画が素晴らしかったのは、YouTuberを使っていないところでしょうか。企業チャンネルで有名なYouTuberを起用すると失敗することが多いのが実態です。何故ならどうしてもそのYouTuberがのびのびとやっている個人のチャンネルと比較した場合、どう頑張っても制約条件の多い企業チャンネルのほうが、面白みが薄れてしまう可能性が高いからです。
一方でYouTubeを持っていない芸能人を起用した場合、YouTubeでは彼らを見ることができないので、YouTubeで見られるというだけで大きな価値になります。
加えてYouTuberを起用する難しさとしては、ファンを企業チャンネル側に引っ張りにくい構造もあります。例えば人気YouTuberである「はじめしゃちょー」さんのチャンネルの視聴者を取り込むために、はじめしゃちょーさんを投資の勉強向けのコンテンツに起用したとします。ただ、彼のファンは全然投資コンテンツを求めていないんですよね。
もちろん何かしら競争を煽るようなコンテンツを作ってはじめしゃちょーを応援するような構図を作れなくもないですが、簡単なことではないのが実態でしょうか。
▼内田篤人のSDGsスクール!
https://www.youtube.com/channel/UCyLpj6fbC4Q8sXYu8o_2x3Q
株式会社LIXILのチャンネルも印象的ですね、元サッカー選手の内田篤人さんがアンバサダーに就任したSDGsスクールという番組を制作しています。内容としては、LIXILの取り組んでいるSDGsについて内田篤人と共に学ぶもので、そのコンテンツを通してLIXILの活動を伝えるものになっています。
このチャンネルの面白いポイントとしては、企業のCSR活動に、Youtubeを使っている点が先進的ですね。まだまだ他には少ない事例です。しかもサムネイルなどもきちんとYouTubeに最適化されている点も素晴らしいといえるでしょう。
▼葬儀葬式ch有限会社佐藤葬祭
https://www.youtube.com/channel/UCuLJbkrnVw6_a35M0rk8Emw
また「葬儀葬式ch有限会社佐藤葬祭」も非常に面白い存在です。
これは葬式というニッチな領域でもYouTubeでは一定の成功を収めることができるとう好例ではないでしょうか。動画の映像やサムネイルなどはYouTube最適化していない部分もまだありますが、「なぜ火葬炉の前では撮影禁止なのか?」など視聴者の好奇心を煽るような動画だけでなく、YouTube内で人気な配信者に噛み付いてみるなど、非常にYouTube的に面白い企画が沢山あります。企画力の勝利といえるかもしれません。
▼ゲームさんぽ /ライブドアニュース
https://www.youtube.com/user/gotouchi10sec
「ゲームさんぽ /ライブドアニュース」に関しては、チャンネル設定が非常にうまかったチャンネルではないでしょうか。
これは要するにYouTube内でも大人気ジャンルであるゲーム配信系の動画を公開しているチャンネルなのですが、「専門家と見る(がやる)ゲーム」というコンセプトで多くの動画を公開している。
例えば「気象予報士・石原良純さんと『ブレス オブ ザ ワイルド』をやってみたら、天気の仕組みがよーーくわかった!」などはその好例です。
株式会社任天堂の大人気シリーズ、ゼルダの伝説をプレーする動画なのですが、本作はゲームグラフィックが非常に美しいだけでなく、天気などが現実さながらに変化していく非常にリアルな作品でもあります。そんなゲームを、気象予報士という天候の専門家が面白おかしく解説してくれる状態で、プレー映像を見られるのですから面白くないわけがありません。
他にも様々な専門家が、様々な角度でゲームを解説しながらプレー動画が進むさまは非常に魅力的なエンターテイメントになっています。
▼にじさんじ
https://www.youtube.com/channel/UCX7YkU9nEeaoZbkVLVajcMg
Vtuberの事務所のチャンネルです。登録者数は80万人もいます。
やっていることは至極単純で、事務所に所属している人気YouTuberを集めて生配信をしている動画がメインです。が多めです。とかで、とにかくVtuberさんが人気なんですけど、そんなVtuberさんたちが集まって生配信することがあって、例えばこの「にじさんじ秋のスマブラ大運動会」ってのは3時間生放送で130万回再生されていますね。短い動画だと1000万回を超えているものもあります。
Vtuberさん同士の中で、仲良しの組み合わせがあるようで、ファンはそういうカップリングを見ることで楽しんでいるようです。専門の事務所だけあって、とにかくVtuberさんの運用が非常に上手いです。
他にもYouTube事務所が運用している、チャンネルはありますが、事務所の規模感と比較すると、相対的にここまで成功しているチャンネルは多くありません。非常に参考になるチャンネルといえるでしょう。
▼最後に
以上が企業チャンネルでの事例紹介でした。YouTubeで簡単に有名アカウントになる近道のようなものは存在しませんが、既存の成功例から学ぶことで、少しでも早く人気を獲得していきたいところですね。もしこの記事を読んだ上でまだ企画について悩んでいることなどあれば、YouTubeの企画や分析のコンサルを行っている弊社、株式会社Luaazにご相談くださいませ。