YouTubeはSEOとは違い、テクニカルな攻略よりも、コンテンツそのものの、つまり企画面の質をあげることが重要なプラットフォームになります。その理由について、そしてそんなYouTubeでインプレッション数を増やし、チャンネルを成長させるための方法論を紹介していきます。
●はじめに
何故YouTubeは普通の記事メディアなどと比べて、企画力が重要なのでしょうか。
というのも、文章なら多少質が低くても、調べたい情報を得るために流し読みされることもあるかもしれません。だからこそ様々な質の低いアフィリエイト記事が、インターネット上に跋扈しています。
ただYouTubeはエンタメ目的で見られることも多いため、質が低い場合はすぐに離脱されて終わってしまいます。そしてYouTubeはレコメンド機能が強いプラットフォームであり、YouTubeからレコメンドしてもらう、要するにインプレッションしてもらえるかどうかが鍵になるのですが、視聴維持率の低いような動画をYouTubeがレコメンドしてくれることはありません。
しかもYouTubeはTikTokなどとは違い、短尺ではなく長尺ありきのプラットフォームなので、一瞬のかわいさや、勢いの面白さだけでは不十分です。ユーザーの心を長く掴まないとけないですからね。
ですのでYouTubeで勝つためには、インプレッションを増やすには、結局のところ企画を磨き、計画的に面白いコンテンツを作らなければなりません。
●YouTubeで重要なのはオリジナリティより王道やトレンド
そしてYouTubeで面白いとされている動画は独自性のあるコンテンツよりも、基本的に王道やトレンドです。というのも、10代や20代のような若いユーザーの多いプラットフォームということもあり、既に知っている似ているコンテンツのほうが、文脈や面白さなどを理解してもらいやすいというのは理由としてあるでしょう。
あるいはレコメンド機能が強いプラットフォームのため、例えば「福袋開封動画」を一度みたユーザーには、他の「福袋開封動画」がレコメンドされていきます。このようなレコメンド機能がある以上、他の人たちがやっていない独自企画よりも、王道企画をおさえたほうが良いです。あるいはトレンドに関しても、その時期多くの人達も動画をあげるので、マネしてそのトレンドに関する動画をアップすれば、当然インプレッションされやすくなります。
●若い世代が好む王道やトレンドをおさえよ
そのため、10代や20代のような若い世代がどのような動画を好むかを、知ることは非常に重要になってくるのです。
そこで今回は若い世代の中でも流行の移り変わりが早く、習性をつかみ取りにくい、10代、20代女性の流行や王道を掴むべく、若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.』が発表した独自エットワークで掴んだトレンド予測で選ばれた、YouTuberの一部を紹介していこうと思います。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000139.000033586.html
●「新塘真理 Shinto Mari」
「新塘真理 Shinto Mari」チャンネルは、ABEMAが放映している恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました。」でカップルが成立したことで有名になった、新塘真理 さんのチャンネルです。彼女と、パートナーの小堀遥功さんは、「まりはるカップル」として活動していた。
なお「今日、好きになりました。」は”運命の恋を見つける、恋の修学旅行”をテーマに、現役高校生たちを追った恋愛リアリティーショーで、初対面の男女がこの番組が準備した旅行を通じて恋をして、カップルが成立するプロセスを楽しむ番組です。
本番組は非常に人気で、新塘真理さんに限らず、多くの出演者がYouTuberとして、後に成功しており、例えば「流那チャンネル」は48万人以上も登録者がいます。
このように、様々な有名YouTubeを排出した本番組ですが、よくもわるくも、リアルな高校生ということで、複数のカップルが成立しているものの、複数のカップルが既に破局にもなっています。
「まりはる」カップルも例にもれず、21年12月30日に自身のチャンネルも破局に。自身のチャンネルで発表。
https://www.youtube.com/watch?v=4LnRUyNmiHM
あくまで「新塘真理 Shinto Mari」チャンネルということもあり、新塘真理さん単独で動画の更新を継続しています。ただこのように更新を継続するチャンネルばかりではなく、いっときは20万人もチャンネル登録数を集めるなど大人気だった「さとまるカップル」の場合は、21年夏に破局し、その後、チャンネルの更新は止まっている。
逆にいうと、このリアルな恋模様こそが、多くの10代の心を掴んでいるのかもしれない。
さてそんな10代に非常に人気な新塘真理さんは、良い意味で王道な動画を多く公開。「家族関連の暴露」「メイク動画」「爆食動画」「LOOK BOOK」「ルームツアー」「ナイトルーティーン」などの動画が人気を博しています。
●「えみ姉」
https://www.youtube.com/channel/UCPTSQcO1CE9A_1Kyn45DGXQ
えみ姉は、ファッションやコスメに強いYouTuberです。そのためYouTubeでは定番のLOOKBOOK動画や、スキンケア、ヘアセットなど、女子がおしゃれする上で必要な情報を網羅的に配信しています。
LOOKBOOKなどはYouTubeでは定番の動画なので、きちんとYouTubeのトレンドをおさえていますね。
また単純に外見が綺麗な女性というだけでなく、非常にトーク力もある点も強みで、一番再生されている動画は
「【大人の保健室】人には聞けない初体験の質問相談💑♡不安な子は必見です！」
と称して、10代などの若く経験がない女子向けに優しく、時には面白く語りかける動画は約150万回も再生されています。
ファッション系YouTuberとして、えみ姉は20代という年齢を生かして、10代特有のお悩み相談にも数多くのっており、それらの動画も人気を博しています。
単純に化粧の技術や知識だけでなく、本人のキャラクターにもファンがついているため、現在はオリジナルブランドも作ったほど。
ファッション、コスメ系YouTubeとしてはいい意味で王道なので、真似したくなる存在ですね。
●「みゅう」
https://www.youtube.com/c/%E3%81%BF%E3%82%85%E3%81%86myuuu/featured
「みゅう」チャンネルは、なんと中学生女子のチャンネルです。みゅうさんのベースは、「【LIVE】study with me」というタイトルで勉強しているシーンをライブ配信する勉強動画を配信。
画角は様々ですが、基本的に手元を映して、勉強しているところをライブ配信しているだけです。「テスト前に友達と一緒に勉強する」という行為をオンラインで体験しているのでしょう。コロナ禍で外出しにくいからこそ、よりこの手のコンテンツがウケるのかもしれません。
ただこのような無言のライブ配信だけでなく、「【筆箱紹介】What’s in my pencil case？ | 中学生の筆箱の中身 ZIPIT」など、実に中学生らしい動画や、YouTubeでも王道のナイトルーティーンなどの動画も人気を博しています。
その他には、様々な形式のvlogを公開しており、10代の好みを知る上で非常に勉強になるチャンネルだと言えるでしょう。
●「かすこんねぅ」
https://www.youtube.com/channel/UClGPdvHj1kHEMOrxrb50ZWw
もともとTikTokで有名になった「かすこんねぅ」ですが、人気の秘密は動画のオープニング部分を一目瞭然です。
「あなたの心にずっきゅんばっきゅんどっきゅんこんこんちゅちゅちゅちゅちゅかすこんねぅですestablish」という意味をなしていない早口言葉からスタートしている通り、独特のテンションと動きとセリフで視聴者を飽きさせない点が「かすこんねぅ」の最大の魅力でしょうか。
気づいたら目が画面に釘付けにされていますよね。加えて上述の質問コーナーでもせわしなく、ボケ続けており、思わずくすっと笑ってしまいます。
このように演者としてのキャラクターが濃すぎて、企画自体は「自己紹介」「自炊してみた」など、逆に普通すぎる動画でも、前者は約200万回、後者は約80万回も再生されています。むしろ普通すぎる企画でどうボケ倒して、普通の企画なのに面白すぎるという、ある種のシュールさも狙ってやっているのかを疑いたくなるほどです。
それでいて単独での動画だけでなく、コムドットなど、人気Youtuberとのコラボ動画でもきちんと面白くこの動画も約200万回も再生されています。
「かすこんねぅ」さんの存在は、ある意味で反面教師というか、「自身がここまで面白くないのであれば、ちゃんと企画で勝負しようぜ」と、企画を考えることの重要性を再確認させられます。
●岡田を追え
https://www.youtube.com/channel/UCw8JOTMz9DDIhW2qkxF893g/videos
ここまではいかにも10代女子が好みそうな動画を紹介してきましたが、最後に少し意外なチャンネルを紹介します。それが「岡田を追え!!」というチャンネルです。
これは貧乏な30代のお笑い芸人である岡田を、ただひたすらカメラマンの佐野さんがおい続けるだけの動画です。動画内で岡田さんは、お笑い芸人らしく小ボケを繰り返しつつ、様々なうんちくを披露しながら、妙に手慣れた手付きで様々な料理を作っていきます。しかも何故か4畳半の部屋の真ん中で、ガスコンロを利用して、これまた妙なこだわりで鉄フライパンでなんでもかんでも作っていきます。
見ようによってはただの貧乏なおじさんのうざいvlogにも見えるのですが、岡田さんのどこかかわいらしいキャラクター性と、カメラマンの佐野さんの屈託ない笑い声と、テロップでの辛口ツッコミが、動画をお笑いとして成立させています。
そのため２～３動画見ると、思わずまさに「岡田を追え!!」のタイトルどおり、追いかけて応援せずにはいられない雰囲気になっています。
また岡田さんはお笑い芸人のつながりを利用して、人気のお笑い芸人、グラビアアイドルともコラボしており、それらでも岡田さんが様々な形で虚勢を張る姿が、笑いを誘う仕上がりになっています。
ぱっと見だと、10代女性の人気が何故でているのかわかりにくいです。ただし繰り返し見ていると、たしかに岡田さんが「等身大」と称しながら、自身を大きく見せようとするポンコツ感が、母性本能をくすぐるのかもしれませんね。
●最後に
以上が10代女子に人気なチャンネルの紹介でした。もし興味があれば、各チャンネルを覗いて、YouTubeの企画を考えるきっかけとしてみてください。
