【有名作家インタビュー】YouTubeで登録者が増えない人必見、プロの企画の考え方

【有名作家インタビュー】YouTubeで登録者が増えない人必見、プロの企画の考え方

近年、個人、法人を問わず、YouTubeチャンネルを開設し、運営しはじめる人が増えてきています。目的は様々ですが、身内での共有用など一部の人を除いた大半の人々が、チャンネル登録数の増加を目指しているのではないでしょうか。

しかしながらYouTubeでチャンネル登録数を増やすことは簡単ではありません。というのもYouTubeは一定期間動画をアップし続けないとオススメされにくいというプラットフォームの性質上、一発の動画でバズるのは難しく、長い時間をかけて動画をアップし続ける根気が必要になります。

加えて、YouTubeはウェブサイトにおけるSEO対策のような、プラットフォームハックが難しい部分もあります。結果として、面白い企画を考え続ける必要性があり、企画を考えることに関して未経験の場合、これの継続は簡単ではありません。

そこで今回は、「YouTubeのチャンネル登録数が増えない」と悩んでいる方に向けて、YouTubeの企画を考えて、YouTuberのチャンネルを育てるプロフェッショナルである、人気YouTube作家の「たけちまるぽこ」さんにお話を伺いました。

▼Youtube作家たけちまるぽことは

――自己紹介も兼ねてYouTube作家になるまでの流れを伺ってもよろしいでしょうか。放送作家という名前はよく聞きますが、YouTube作家というのは珍しい気もしているので、経緯を教えてもらいたいです。

中学生のころから漠然と放送作家という職業に憧れていたため、大学生になったタイミングから放送作家事務所での仕事を始めました。芸人さんの世界と同じで放送作家も年功序列というものがあり、始めたばかりの若手だとすぐに結果を残すことは難しかったです。ただ自分は運よくテレビ局のプロデューサーと親しくなる機会があり、すぐに地上波のレギュラーが決まりました。

こうして中学生の頃から憧れだったテレビの放送作家というものを体験し、もちろん楽しいと感じることもありました。ただどうしても疑問に思うことがいくつかありました。特に違和感を覚えたのが、一つの企画が成立するスピードの遅さです。新たにテレビ番組を作りたいとなると、まず自分が考えた企画や構成をディレクターに当てて、そこからディレクターが編成部に持って行って、営業がスポンサーを探して…とかなり時間が掛かってしまいます。

僕は高校生の時から趣味で企画の種を沢山考えていたので、企画自体のストックはあったのですが、たくさんトライアンドエラーをできるほどスピードがなかったのが悩みでした。

そこで、自分は何が好きなのかというのを改めて考えてみたところ「企画を作ることが好き」という結論に至りました。放送作家を知った中学生当時は表現媒体がテレビしかなかっただけで、高校生の時にはYouTubeも大好きでしたし、自分の企画を表現できるのであれば、テレビにこだわる必要がないと思いました。

こうした経緯で半年ほどで放送作家事務所を辞めてYouTube作家を始めました。それからは色々なYouTuberの方を探して企画を持っていき、自分を売り込みました。当時はYouTube作家という概念がなかったので、「Youtube作家っていう面白い人がいるよ!」という先行者利益的な口コミの効果でどんどん仕事が広がっていき、今では様々なチャンネルでお仕事をさせていただいています。

▼Youtube作家の、チャンネル登録数を増やす企画リサーチ方法

――自己紹介ありがとうございます。では早速になりますが、そんなYouTubeで企画を考えるプロであるたけちさんは、普段どのようなことをして、企画を思いついているのか教えてください。

特別なことをしているつもりはないのですが、とにかく、YouTubeとTiktokを沢山見るということは意識しています。当然、オリジナリティのある企画も大事だとは思いますが、世の中で「何がバズっているのか」「どういうワードが注目されているのか」「どういう人が人気を得ているのか」というのからヒントを得ています。これはYouTubeを見だした中高生時代からやっていることで、それを今でも継続している形です。

ーー確かにYouTubeは人気企画や、トレンドを取り込んだ動画は、過去に近い動画を見たユーザーに対してどんどんレコメンドされるアルゴリズムになっているようですし、そもそもの人気企画や、トレンドをリサーチして動画に入れ込むことも重要ですよね。ただ漫然と動画を見ていても、いい企画は思いつかない気がするのですが、工夫していることなどはありますでしょうか。

僕が作家をやられている方にオススメしているのが、コメント欄を全く見ずに動画を視聴して、どのようなコメントが上位に書かれているのかなどコメント欄の雰囲気を最初に予測するというやり方です。これを繰り返すことで「こういう系統の動画はこういう反応だよな」というのが、自分の中でなんとなくわかってくると思います。

最初にコメント欄を見てから動画を視聴してしまうと、情報が受動的でしかないので、考えながら動画を視聴し、その後に答え合わせをするということを意識しています。

ーーなるほど、そういう見方をすることで、その動画が誰を対象にどんな反応をさせることを目的とした動画なのかを強制的に思考することになりますし、いいですね。結果的に、一つの動画に対して「ドッキリ動画」という大枠の捉え方ではなく、「●●の性質を持った人に、✕✕と感じてもらうところが一番の魅力の、ドッキリ動画」などと、解像度高く企画の趣旨を理解して、企画のストックを増やすことになりそうですね。

そうですね。加えて僕は自分の感想を考えているわけではなく、「視聴者はこう思うだろうな」と予測して動画を見ることで、僕と視聴者の感性のズレを確認する作業になります。感性がズレていれば修正する必要がありますし、合っていればそのままでいいです。その感覚で面白いと感じた企画は、きっと視聴者にとっても面白い企画のはずです。

また他にも、これまでとは違う掛け算を思いつくというメリットもあると思います。例えばHIKAKINさんの最近の動画で「HIKAKIN、働きすぎでついに強制休暇へ…」という休暇で旅行するっていうバズった動画がありました。「HIKAKINさんは沢山働いていてすごい」とか、「休暇と言いながらカメラ回しててすごい」みたいな応援コメントで溢れてるんじゃないかと予測したところ、実際もその通りでした。やはり視聴者はHIKAKINさんが忙しいと思っている。だからこそ、HIKAKINさんには「休み」っていうものにフォーカスした企画を提案したらバズるだろうなと思いました。

ーー他にもリサーチの際に工夫していることはありますか?

YouTubeはサジェスト機能に優れているプラットフォームなので、例えばキャンプの動画を見続けたら関連動画には似たような動画しか上がってこなくなってしまいます。自分が好きなジャンルの動画を数多く見たいときには優れている機能なのですが、これはあくまでも自分の中での流行りであり、世の中の流行とはかけ離れています。このような偏りが生まれないように「エンタメ系用」「海外チャンネル用」などジャンルごとにアカウントを切り替えて、幅広く色んな動画を見るようにしています。TikTokも同じくです。

――時間の関係上、全ての動画に目を通すことは不可能だと思うのですが、浅くても良いからYouTubeのトレンドを把握したいときはどのようなことを意識されていますか?

一般的だと思いますが、タイトルとサムネイルのワード、上昇ランキングに入っている動画についてはチャンネル名も気にしてチェックしています。

ーーYouTube以外にも様々なコンテンツをチェックしているのでしょうか。

ベースはもちろんYoutubeですけど、漫画や映画も企画のエッセンスに含まれています。企画を考えるときに、何から考えていいのか分からないときは漫画の棚の漫画をとってパラパラってめくって、出てきた単語から派生させたりとかはしています。ランダムな単語を選んで、そこから縛りをつけたほうが企画って考えやすいと思います。

このように条件がある中で企画を考えるほうが考えやすいと思います。逆に「なんでもいいです。自由にやってください。予算は1億円あります」と大雑把に言われる方が難しいです。

どんどん条件を自分の中で設定していって、単語はこれ入れようとか考えます。それで生まれたのがこの企画、また次の企画を考える時はゼロから条件設定していくといった感じです。

▼登録者が増えない、企画を考える時のNG行動

――企画を考えるときに意識をしていること、あるいは、しないようにしていることはありますか?

一言で言うとエゴを出さないようにしています。というのも、僕らはクリエイターだと思うんですよ。視聴者にコンテンツを提供することにおいてはアーティストとクリエイターは凄く似ていると思います。ですが、そこにも違いがあって、人のために作るのか自分のために作るのか、そこで別れるんじゃないかと僕は思っています。

例えば芸術家であれば、作品を作る上で自分を表現することにベクトルが向いてると思います。逆にクリエイターは見る人、コンテンツを享受する人を第一優先に意識しています。その中で自分のエッセンスを含めていくのですが、最も大事なのは視聴者に届けることであって、これは常々意識をしています。

あとは一本の企画で何かを起こそうとは思っていません。YouTuberのブランディングは一冊の本のようにページを積み重ねて作っていくものだと思っています。ですので、この企画だけとか単発で大きいものは求めないようにしてます。

だからこそ、クリエイターの人となりが分かるような掛け合いや文言みたいなのは各動画で少しずつまぶしていってます。一本の中に入れすぎないで、日々の動画投稿の中で分かるように構成しています。

もちろん、この回はこういう回ということも考えますが、その回のことだけを考えているわけではありません。過去の回の事を踏まえての今の動画ですし、未来の回のことも踏まえての今の動画ということは意識しています。

▼最後に

YouTubeを運営している方にとっては参考になるお話が多かったのではないでしょうか。たけちまるぽこさんは特別に難しいことを言っているわけではなく、例えば「コメント欄にどのようなことが書かれているかを予測しながらYouTubeで動画を見る」などは今すぐにでも始められます。何事もですが、一つひとつの積み上げが成功への近道です。

もし何かお悩みの点などありましたら、YouTubeの企画や分析のコンサルを専門に行っている株式会社Luaazにぜひご相談くださいませ。

記事を書いた人

Luaaz編集部

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